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NEC ことはじめ・インターネット

NEC ことはじめ・インターネット         インターネットを“もっと知る”ことは、インターネットを使いこなすための近道です。         仕組みや起源も含めて基本から理解することは、メールやホームページの上手な活用にもつながります。                 インターネットと情報社会 情報を処理し、伝達する技術の急激な革新は、新しい社会の到来を促しました。『ことはじめ・インターネット』、まずはインターネットのルーツを訪ねることから始めましょう				「もの」の社会から情報社会へ / 情報化の原動力はテクノロジー / インターネットの誕生        
        インターネットってなんだろう?             4台のコンピュータの接続からわずかな間で地球規模のネットワークへ、その不思議と魅力を探ります				地球規模のコンピュータ・ネットワーク / インターネットのどこがすごいの / 実現できたそのわけは・・ / インターネットのしくみ        ここがポイント・インターネット
                情報の扱いやセキュリティ・・、メールやホームページを上手に活用していくための、ちょっとしたヒントをご紹介します				こんなことができる / ここを押さえる / インターネットを楽しむためにNEC ことはじめ・インターネット      1.インターネットと情報社会            「もの」の社会から情報社会へ            情報社会の到来            情報社会、知識社会という言葉が初めて米国で使われ始めてからおよそ半世紀、ワットの蒸気機関の発明に始まった産業革命が工業社会の実現をもたらしたように、大量の情報を迅速に収集、処理・加工し、伝達する技術の急激な革新は、今また、新しい社会の到来を促しています。      世界最初のコンピュータ「エニアック(ENIAC)」 が米国で開発されてから60年余り、今では情報の処理に係わるIT(インフォメーションテクノロジー)と情報の伝達に係わる通信技術(ネットワークテクノロジー)は、社会に欠かせないものになっています。      情報環境が急速に整備されてくる中で、情報を上手に活用した企業が競争力を高め、また、新しいビジネスを生み出してきました。電子ショッピングや電子マネーといった、かつては未来の夢として語られていたものが、もう日々の暮らしに入り込んでいます。      同時に「もの」と「情報」の違いが新たな課題をひき起こし、新しい社会への枠組み、仕組みが必要とされています。            情報には形がない			ものと情報は、どこが違うのでしょうか。ものには形がありますが、情報には形がありません。ものを有形財と言うのに対して、情報は無形財とも言われています。文字だけではなく、絵や写真や音楽・・、全て情報です。例えば音楽なら、デジタルオーディオやCD、ラジオ、譜面など、さまざまな媒体をとおして、その音色が運ばれてきます。      ものは使ってしまえば、誰かに貸したり譲ったりすれば、手元には残りません。一方、情報はと言うと、使ってもなくならないし、他人に渡してもなくなりません。複製することだって簡単にできるのです。複製されれば、どれが本物か、誰が持ち主かもわかりにくくなってきます。      知的所有権、著作権、個人情報保護、プライバシー・・、情報の価値を確かなものにし、情報や情報の所有者の権利を守っていくことは、情報の流通や活用を促し、情報のウェートの高まる社会を発展させていくための仕組みにほかなりません。      情報のこの特質に注意しておきましょう。            ものを盗めば窃盗罪になるが・・      本やCDなど形のある媒体と一体に、いわば「もの」として扱うことのできた情報は、デジタル化によって改めてその扱いがクローズアップされています。      かつては、情報は他人に持っていかれても手元に残っているから盗られたことにはならない、法律はあまねく公平に、ものと情報で扱いを変えてはいけない-との見方もなされていたとのことですが、「不正アクセス禁止法」をはじめ、デジタル社会への法制度の整備が始まっています。NEC ことはじめ・インターネット      				情報化の原動力はテクノロジー        テクノロジーはいつも人の夢や社会の必要性から始まりました。テクノロジーはそれらを実現するための手段として、発達してきました・・				情報の伝達-通信				テクノロジーで時間と距離を超える				人が生きていく上で、また社会のさまざまな活動で、コミュニケーションの重要性は、今さら言うまでもありません。				古来より人は、たいこ、のろし、伝令と、情報を早く、確実に伝えていくための手段を工夫し、活用してきました。1837年、モールス信号が発明されました。情報を電気信号の断続音に置き換えて伝えることで、伝達の距離とスピードを飛躍的に高めることに成功しました。				エレクトロニクスによる、通信技術の始まりです。人のニーズがテクノロジーを生み出し、発展させ、テクノロジーの活用が、個々人の、社会の活動を拡げてきました。        				より多くの情報を、より速く、高い品質で・・        				情報を遠くまで、いかに速く、正確に、また、より多くの情報を伝えるか、通信技術はその目標にむけて、急速な進歩を遂げてきました。				さまざまな開発が積み重ねられ、実用化が進められる中で、かつてはつながりにくく、音質も不安定と言われていた電話は、瞬時に、確実につながり、たとえ遠方でも、距離を感じさせない、良い音質が保証されるまでになりました。				海底にケーブルを敷き、衛星を飛ばし、有線・無線の技術を駆使しながら、世界を結ぶ通信網が整備されてきました。				ネットワークのブロードバンド化が進む中で、情報伝達の大容量化と高速化が急速に実現されつつあります。そして、従来のアナログからデジタルへ、より信頼性の高いネットワークへと、通信の世界は大きな変革の時期を迎えています。                【ブロードバンド】				一度に送れるデータ量や速度は、ネットワークの種類によって異なる。電話回線やISDNをナローバンドと呼ぶのに対して、大量のデータを高速で送れるADSLや光ファイバーをブロードバンドと呼んでいる。        コンピュータの処理能力の向上とブロードバンド化の進展で、データ量の大きな動画や音楽もネット上でも楽しめるようになった。                情報化の原動力はテクノロジーここから、本文。情報の処理-コンピュータ(1)コンピュータの誕生と発展は、情報化に大きな役割を果たしました。計算を自動化することから始まった・・複雑で手間のかかる厄介な計算を肩代わりするものはできないか・・、これもまた、人間のニーズや夢から始まりました。17世紀のパスカルの歯車式計算機、19世紀のバベッジの機械式計算機と、多くの試行錯誤を経て、エレクトロニクスを利用した計算機-電子計算機-が誕生したのは、ようやく20世紀も半ばを過ぎてからのことでした。それからわずか半世紀余り、コンピュータは急速な進歩を続け、今では企業の活動や社会の仕組み、そして個々人の生活の中に、それとは意識させずに広く、深く入り込んでいます。ハードウェアとソフトウェアコンピュータは、情報を「入力」し、「演算(処理)」し、「出力」する、という3つの機能を持っています。それぞれに対応した装置群(ハードウェア)と、その一連の動きを指示するためのプログラム(ソフトウェア)で構成されています。ここでは、情報を一定の形に置き換えて扱いやすくするとともに、エレクトロニクスの力を使うことで、情報の、高速・大量な処理を実現しています。入力された情報は、すべて数値化されて処理されます。ここで用いられるのは2進数です。0(ゼロ)と1に変換された膨大なデータは、さらに電気信号に変えられ、多数の電子回路が論理的に組み合わされた演算(処理)装置で高速に処理され、その結果が出力されます。なぜ、2進数が用いられるのか。実はこの1と0は、回路に電流が流れる(オン)、流れない(オフ)、の2つに対応しています。このいたって単純な対応が誤りを少なくし、装置全体を簡素で、強いものにしています。機械式では複雑になり過ぎて実用化できなかった計算機が実現したわけの一つが、こんなところにもありそうですね。回路の設計には、論理を数字化したブール代数の考え方が用いられています。ここにも2進数の考え方が取り入れられています。コンピュータは0と1に置き変えられる情報であれば、どのようなものでもすべて扱うことができます。(「1-6 デジタルとは・・」参照)。そこからどのような新しい情報を生み出していくのか、ソフトウェアの役割は益々大きくなっています。■ ■ ■ ■ ■ ■ ■情報化の原動力はテクノロジーここから、本文。情報の処理-コンピュータ(2)パーソナルコンピュータの誕生コンピュータの飛躍的な発展は、半導体技術の革新なしには語れません。部品と回路を一体化したLSI技術の進展は情報処理の高速化と大容量化を進め、コンピュータの高機能化、大型化を進める一方で、装置の小型化も実現しました。ワンチップ・コンピュータと言われるマイクロコンピュータから、より高度なソフトウェアを備えた「パーソナルコンピュータ」が誕生します。テクノロジーの急激な進歩とコストの低下が同時に進み、かつては高価で大型で、専門家しか扱うことのできなかったコンピュータが、誰もが手近に利用することのできる便利な「個人」の道具へと変貌しました。このコンピュータは小さいながらも、かつての大型コンピュータをはるかに上回る機能を持っています。基本的な原理は、スーパーコンピュータとも変わりません。原理そのものは、コンピュータが発明された当時ともほとんど変わっていないのです。同じメカニズムの中でハードウェア、ソフトウェアの技術の革新が高速化・大容量化を急激に進めてきた、と言うことができます。NEC ことはじめ・インターネット      情報化の原動力はテクノロジーここから、本文。デジタルとは・・アナログ情報とデジタル情報情報にはアナログとデジタルの2種類があります。アナログ情報は、文字や絵や音など、手を加えられていない、さまざまな姿をした生の情報です。一方、デジタル情報は、0と1の数値に置き換えられた情報です。コンピュータが扱うことができるのは、この0と1に変換されたデジタル情報です。アナログ情報のデジタル化それでは、さまざまな形のアナログ情報は、どのようにしてデジタル化されるのでしょうか。例えば文字では、文字ごとに固有の数字を割り振り、さらにその数字を2進数に置き換えます。音の場合はその波形を測り、数字に置き換えていきます。図や絵は細かく分割し、形や色それぞれに、固有の数字をあてはめていきます。最後に、それらの数字を2進数に変換します。文字よりも絵、白黒よりカラー、静止画よりも動画と、表現されるものが複雑になればなるほど、データの量は増えていきます。データ量が大きくなればなるほど、より大きな処理能力が必要になります。なぜデジタル化するのかなぜ、このような手間をかけるのでしょうか。アナログ情報が雑音に弱く、形が崩れやすいのに対して、数字に置き換えられたデジタル情報は壊れにくく、多少崩れたとしても、元の形に戻しやすいからです。加工や編集もしやすくなります。この特質は、情報を伝えたり、大量、高速に処理していくために適している、と言うことができます。さらに、さまざまな形をした情報をデジタル化して同じ土俵の上に乗せることで、それらを混ぜ合わせて、一括して処理することができるようになります。そこから、大きな可能性が拡がっていきます。NEC ことはじめ・インターネット             インターネットの誕生			4台のコンピュータの接続から始まった・・			始まりは軍事研究?			今や世界中のコンピュータをつなぐ勢いのインターネットは、4台のコンピュータの接続から始まりました。さらにその発端をさかのぼれば、軍事研究から始まったとも言われています。ここで少し、その発展の経緯を振り返ってみましょう。			当時、世界を二分する超大国が覇権を競う冷戦構造下で、米国防総省高等研究計画局ARPA(Advanced Research Projects Agency)は“核攻撃でたとえ一部が壊滅的な打撃を受けたとしても、			生き残ることのできるコンピュータシステム”の開発に着手、その研究の中から“一部が破壊されてもそれ以外は動き続けることのできる分散型のネットワークシステム”と言う、今日のインターネットへつながるアイデアが生み出されました。			そして1969年、このプロジェクトの一環として、距離を隔てた米国内4ヵ所の大学、研究所の4台のコンピュータを実際に結ぶことに成功、これがインターネットの始まり、と言われています。			学術・研究用のネットワークとして発展			ARPAネットワークはその後も米国内の大学や研究所のコンピュータを結び続け、1973年には、海を越えて英国やノルウエーの関係機関との接続にも成功しました。			また、既に拡がりつつあった組織内を結ぶネットワーク(LAN-Local Area Network)化の動きと結びついて、当初のコンピュータとコンピュータの接続からさまざまなLANとLANの接続へ、つまり、ネットワークとネットワークを相互につなぐことへとその役割を変え、「Internet」(inter-network:ネットワークを相互につなぐ)へとその名称を変えていきます。			1983年には軍事用から切り離され、主として学術・研究用のネットワークとして発展、接続されたコンピュータの台数は1984年には1,000台、1987年には10,000台、1989年には100,000台へと急増しました。      さらに、1990年には商用にも開放されるに至って、今日の爆発的ともいえる拡がりを生み出しました。			短期間になぜここまで急速に拡がったのか、また、インターネットとはいったいどのようなものなのか、引き続き次章で見ていくことにしましょう。			コラム			スプートニクが生みの親?			1957年、米ソ二大勢力が拮抗する中で、ソ連の「人工衛星スプートニク打ち上げ成功」のニュースは、核ミサイル攻撃を可能にする技術力をも示唆するものとして、米国に大きな脅威を与えました。
			米国は科学技術の強化にただちにARPA を設立、その一つとして、国家機密を入れたコンピュータ破壊のリスク分散を図る、このネットワークの研究が始まったと言われています。NEC ことはじめ・インターネット      			地球規模のコンピュータ・ネットワーク			インターネットは、今や地球規模に広がったコンピュータ・ネットワークです。独立したネットワークが相互につながりながら、「一つ」の大きなネットワークを構成しています。      網の目のようにつながり、拡がったネットワークにはさらに小さなネットワークや多数のコンピュータが連なって、重層的な拡がりを見せています。			全体を構成するさまざまなネットワークは、インターネットを構成する「部分」であると同時に、「インターネットそのもの」とも言うことができます。			インターネットは、コンピュータと、それらをつなぐネットワークの双方で構成されています。情報処理(IT)と通信のテクノロジーの双方が連携したシステム、と言うことができます。      			インターネットのどこがすごいの			世界を結ぶ、情報とコミュニケーションのネットワーク			世界中に張り巡らされたこのコンピュータ・ネットワークの中では、ネットワークを介して、無数のコンピュータの間で、膨大な情報がやり取りされています。コンピュータが扱う情報も、      ネットワークの中を流れる情報もすべてデジタルです。メールやホームページは、コンピュータとネットワークを使っての、デジタル情報の処理と伝達の仕組み、ということになります。			4台のコンピュータの接続から始まったインターネットは、爆発的な成長を遂げています。世界中で10億人を超すともいわれる利用人口は、さらに増え続けています。      距離を超え、時間を超え、国を超え、文化を超えて、様々な人とひととを繋ぐ、地球規模の、情報とコミュニケーションのネットワークが誕生しました。			「個」に基本を置く、大きな全体			中央司令塔のない、自律したシステム			インターネットの中では、いつでも、誰とでも、自由に情報のやり取りをすることができます。それぞれのコンピュータが独立し、対等な関係で繋がっているからです。			インターネットは、多数のネットワークを傘下に持つ大きなネットワーク、というよりも、大小様々な、独立した、多数のネットワークが相互に協力し、補い合いながら作り上げている、大きな「一つ」のネットワークといえるでしょう。			対等なネットワークの集まり、ということは、逆にいえば、全体の面倒を見たり、調整してくれるものはありません。インターネットを構成する一つひとつのネットワークの、そこに参加する一人ひとりの、責任と協力の上で成り立つシステム、ということができます。			24時間止まらずに動き続ける・・			これだけ巨大なシステムが実現しただけでも不思議な話ですが、しかもこのネットワーク、一瞬も止まることなく、24時間動き続けています。コンピュータ同士の情報のやり取りは1秒で地球を回ってしまうという速さで、たとえ海外であろうと、瞬時に情報を届け、瞬時に情報を運んできてくれます。            実現できたそのわけは・・ここから、本文。新しい発想とテクノロジーイノベーション自律分散の仕組みこれだけ大きなシステムが、なぜ止まらずに動き続けることができるのでしょうか。もう一度、インターネットの原点といわれる、ARPAネットワーク開発の発端に戻ってみましょう。たとえ一部が破壊されても機能し続けることのできるコンピュータシステム、として考え出されたのが、この自律分散型のネットワークでしたね。ここでは仮に一部が損傷し、機能できなくなったとしても、システム全体としては、なにごともなかったかのように機能し続けることができます。シンプルな構造と緩やかさが鍵ネットワークの中の情報のやり取りを見てみましょう。情報のやり取りに必要な様々な手続きは殆ど、発信と受信をする2台のコンピュータで行われます。道筋を探し出し、小さな単位に分けて送り出したり、細かく分かれて到着したものに欠けているものがないかを調べ、並び替えて元の形に戻したり、届いたかどうかを確認し合ったり・・。一方、情報の中継にあたる途中のネットワークの仕事は、受け取った情報が自分宛かどうかを調べることです。自分宛でないものは、次のネットワークに受け渡してしまえば、それで仕事は終わりです。「最善」を尽くしますが、混雑していれば時間もかかるし、まれのまれには、情報がどこかに消えてしまうことだってないとは言い切れません。絶対という保証はありません。最善は尽くすが保証はできない、これが、インターネットの「ベスト エフォート」(最善を尽くす)の考え方です。品質が保証されている郵便や電話とは大きく異なる点です。とはいえ、途中のネットワークの負荷が軽く、さらに、100%の完全性は求めないこの緩やかさに、これだけ大きな規模のシステムが実現した秘密がありそうです。実現できたそのわけは・・基本はオープン、自律と協働の世界インターネットの爆発的な成長は、テクノロジーのイノベーションによってもたらされた、と言うことができますが、それと同時に、その基本にある「オープン」な考え方や仕組み、「自助」に基づく相互の「協力」も見逃すことができません。研究者間の情報や知識の公開や共有を目的として始まったインターネットは、多くの人たちに開放され、それを利用する人たちの手で、より便利で、より使いやすいものへと、さまざまな試みが続けられてきました。また、その成果が公開され、共有されることで、次の開発や改良へと結びついていきました。電子メールやホームページをはじめとした革新的な技術もこのような中から生まれ、便利なツールになればなるほど、利用者も増加していきました。冷戦構造の中での国の威信をかけての、優秀な人材、多大な研究費をつぎこんでの研究開発もさることながら、開かれた風土、自由な環境の下でのさまざまな挑戦や、自分たちだけが成果を取ろうとしないオープンなマインドや相互の協力が、インターネットをここまで育て上げた大きな原動力となった、と言うことができるでしょう。インターネットは、今では誰にでも開かれています。たとえ、個人でも、プロバイダー(接続事業者)を介して、インターネットの世界に入ることができます。一方で、誰もが使えるシステムになったがゆえの問題も顕在化しています・・NEC ことはじめ・インターネット            ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■インターネットのしくみ多数のネットワークが作り上げる「一つ」のネットワークインターネットは、多数のネットワークが作り上げる大きな「一つ」のネットワークです。ネットワークは相互にルーターと呼ばれる機器で接続されています。ルーターは隣接するネットワークから受け取った情報の宛先を読み取り、次の中継地点へと案内する役割を持っています。それぞれのネットワークは、情報の「発信者」(送り手)になったり「受信者」(受け手)になったり、また、大きなネットワークの一員として、情報の「中継」にあたります。接続されているコンピュータには、一台一台、固有の番号が割り振られています。これをIP(Internet Protocol)アドレスと呼んでいます。コンピュータ同士が情報のやり取りをするときに、どの相手に送るのか、どこから受け取るのかをこのアドレスで確認しあっています。ドメインネーム数字で表現されたIPアドレスは、情報を数値として処理するコンピュータのためのもので、人にはわかりやすいものとは言えません。接続されるコンピュータの数が多くなればなおさらです。そこで考え出されたのが、IPアドレスを体系的に置き換えた「ドメインネーム」のシステムです。ドメインネームは通常、トップレベル、セカンドレベル、サードレベルと、いくつかの階層で属性が表現されています。トップレベルは国名、セカンドレベルは役所や学校や企業などの組織の属性、サードレベルが個々の組織名になることが多いようです。これを右から解読していくと、おおよその属性がわかるようになっています。ホームページのURLを見てみましょう。http://www.より右側がドメイン名になります。ホームページのURLを見てみましょう。http://www.より右側がドメイン名になります。メールアドレスでは、@の前がアドレスの持ち主であるユーザー名、@の後ろがドメイン名になります。メールアドレスやURLは、ドメインネームを管理するサーバでIPアドレスに変換されます。コラムICANN、IPv6IPアドレスとドメインの管理と運用は、米国政府から民間の非営利法人ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)に委託されています。インターネットの世界的な利用の急増で懸念されているのが将来的なアドレス数の不足です。現行のIPv4(バージョン4)から、より多くのアドレス資源も用意できるIPv6(バージョン6)への移行が議論されています。インターネットのしくみここから、本文。情報は「小包」で、ルートは決まっていない情報がどのように送り届けられるのかを見ていくことにしましょう。情報を相互にやり取りするための形式や手順を取り決めたものが「プロトコル」です。インターネットでは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)と呼ばれる2つのプロトコルが同時に使われています。
相手先に届ける情報はまず発信の地点で、多数の小さな小包(パケット)に分けられます。このように小分けにするのは、通り道になるネットワークの負担を少なくし、効率的に使っていくためです。

目的地までの道筋を探しだし、送り届けるために必要な段取りをするのがIPの役割です。それぞれ宛先をつけられた小包は、IPパケットと呼ばれています。送り出された小包は、ネットワークからネットワークへと中継されていきます。中継にあたるネットワークはその宛先を読み取り、自分宛のものを取り込み、それ以外のものは次のネットワークへとリレーしていきます。
ルートは、ネットワークの混み具合などその時々の状況で変わってきます。ルーターの案内に従って、ネットワークを乗り換え、最短のルートをめざしながらもときには迂回もし、最終地点をめざしていきます。いろいろなルートを通って別々に送り届けられた複数の小包は、到着地点で再び元の形へと戻されます。欠けているものがあれば、発信元へ再送を依頼します。その際、届かなかった小包だけを送り直せばすむのも、小包に分けて送る利点の一つです。
情報を小包に小分けしたり再び元の形に戻したり、情報が届いたかどうかを確認したり再送したり・・、これがTCPの仕事です。発信と受信にあたる2台のコンピュータで行います。NEC ことはじめ・インターネット     メールとホームページ  メールは、コンピュータ上に書いたメッセージを、相手のコンピュータに送り届けることです。米国のサンフランシスコに住む友達、フレンドさんとのメールのやり取りを見てみましょう。(1)自宅のパーソナルコンピュータ(以下パソコン)から夜遅く送られたメールは、(2)回線(電話線、ADSL、光回線・・)をとおって、(3)自分が加入しているプロバイダのサーバーへと届きます。(4)そこからインターネットのネットワーク網に入ったメールは、ネットワークからネットワークへと経由しながら海を越え、(5)フレンドさんの加入しているプロバイダへと到着し、そこのメールサーバーに保管されます。(6)フレンドさんのパソコンはここまでメールを取りにいき、多数の小包を受け取って元の形に戻します。メールを読んだフレンドさんは、すぐに返事を書き、送信します。通る道筋は同じとは限りませんが、同じようなステップを踏んで海を越え、最終的にはあなたが加入しているプロバイダのメールサーバーに到着します。翌朝パソコンを開きメールを取りにいくと、フレンドさんからの返事がもう届いています。コンピュータを使ったメールは、たとえ海外とでも、距離と時間を感じさせません。海外との時差をうまく使えば、スピード感はさらに増してきます。ホームページホームページの閲覧は、その情報を持っているコンピュータのファイルから、それをコピーして、自分のパソコンに運んでくることです。
(1)ブラウザを立ち上げ、閲覧したいホームページのURLを入れると、
(2)メールと同じように回線を通り、
(3)加入しているプロバイダをとおって、
(4)インターネット網の多数のネットワークをたどりながら、
(5)その情報を蓄積しているコンピュータ・WWWサーバーへとリクエストが送られます。

相手先のコンピュータの了解が取れれば、行きと同じようなステップで多数の小包が到着し、元通りに並べ変えられてパソコンの画面上に表示されます。

コンピュータ同士の情報のやり取りは、どれだけ遠く離れていても一瞬のうちに行われます。パソコンの中のさまざまなソフトウェアが活躍しています。
  • 名称:NEC ことはじめ・インターネット
  • サイトURL:http://www.nec.co.jp/literacy/basic/
  • 制作年:2006年 〜
  • クライアント・制作・著作:NEC
  • クリエイティブディレクション・アートディレクション:NECデザイン OCTOM

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